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海辺のキャンプと漂流話
2020.12.16
友人と海辺でキャンプしたときにたときに「もし漂流したら。。。」の会話をまとめてみました。
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補陀落僧と呼ばれる修行僧をご存知でしょうか。(ふだらくそう)と読みます。
その昔「補陀落渡海(ふだらくとかい)」といわれる、一種の宗教行事がありました。「補陀落」とは古代インドのサンスクリット語の「ポータラカ」という言葉に漢字をあてた語なのだそうですが、「観音菩薩がいる浄土世界」のことをポータラカ(補陀落)と呼ぶそうです。要するに極楽浄土のことを補陀落と呼んでいるということと思われます。
補陀落は南方の海上にあると言われているらしいのですが、「補陀落渡海」とは、その南方の海上にあると言われている「補陀落(極楽浄土)」を目指して船で旅立つ行為を言います。その宗教行事を実践する僧を「補陀落僧」と呼びます。
補陀落渡海は九世紀から十八世紀にかけて、日本中で断続的におこなわれていました。有名なのは和歌山県の那智勝浦だそう。那智勝浦は補陀落山寺という補陀落渡海の総本山的な寺があります。(写真はそのお寺にある渡船の模型)
補陀落渡海は、どのようにしておこなわれるのでしょうか。
先ほど書いた南方の海上にある「補陀落」へ「漂流」する行為なのです。
外から釘が打ち付けられ、外の様子が全くわからない船の中で、ひたすらお経を唱えながら、潮と風の流れに身をゆだね、南方のどこかにある浄土を目指すわけです。
ぶっちゃけ自殺と読んでも言い過ぎではない行為といえます。一応、水や食料は積んでいくようですが、生半可に行き長らえてしまうので、余計に苦しいような気もします。当然のように、ほとんどの僧は助からなかったでしょう。食料がつきたり、嵐に巻き込まれたりして、究極の修行といえます。
ところが運よくどこかの島に流れ着いた例も少なからずあったそうです。
その例のひとつが「池間島」への漂着です。池間島は宮古島のすぐ北にある小さな島。ここに、ある補陀落僧が流れ着きました。当時無人島だったその島でその僧は庵をたて、そこを聖地と定めました。今でも池間島にはその聖地は残っているそうです。池間島は漁師の島で、自分たちのことを「池間民族」と呼び、漂着した補陀落僧を祖として祀り、今でもそれを誇りにしているそうです。。。
色々な場所にツーリングをしていると、小さな祠や鳥居などをあちこちで見かけますが、来年はそれらの小さな祀られものを見かけたら、なるべく寄っていきたいな、と思います。個人的なささやかな旅の楽しみとして。
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